2020-07-03から1日間の記事一覧

剣のまほろば4玄冬

「おお、久しぶりだのう、噂はきいておるぞ白井、武者修行では無敗だったそうだのう」 そう和かに笑っていたのはすでに、中西道場の筆頭を譲り渡した寺田宗有であった。 「実はお願いがあって来ました。」 「ああ、早速立ち会おうかのう。」 (白井は驚いた…

剣のまほろば3白秋

痩型で長身、眼光鋭く一目で異様な佇まいの男がいた、幽鬼、魔剣、鬼の剣、音無の構え、どれも高柳又四郎を現す二つ名であった。 音無の構えとは、彼の剣そのものである相手が出れば引き、引けば出るその間合いを1ミリでも破れるばたちまち激烈な打突が飛ん…